武蔵野(東京の母)の路をゆっくり歩いてみよう
武蔵野という名に、人々はなぜ魅了されるのでしょうか。失っていくものへの名残りなのか、日本人の心の中に残って原風景なのか。
国木田独歩(1891−1908)が、随筆「武蔵野」(1901年)が発刊され、雑木林の美しさを世に知らしめた。 当時、独歩は渋谷村(現在・渋谷区)に住んでおり、多摩地区、埼玉県所沢の郊外に出るとススキが密生した原野だったという。
150年前(1872年頃)の東京の人口は、100万人程度だったが、急速に都市化が進み、東京はすさましい変貌を遂げた。
武蔵野(現在の東京)は、独特の地形をしており、いくつかの段丘、丘陵、台地からハケといわれる湧き水が出ている。
武蔵野を代表されるケヤキ、雑木林など木々と豊富な水のある所に、文人(小説家、詩人、俳人、画家)たちが、好んで移り住み多くの名作を残した。
都会と田舎、自然と生活が入り混じっているのが武蔵野で、他の地にもない独特なもの持ち備えている。 歩いてみると、四季折々の魅力があり、歴史、文化がどことなく漂い飽きることはない。